« 2007年5月 | トップページ | 2007年7月 »

2007年6月29日 (金)

今井俊満 (Toshimitsu Imai):花鳥風月 (サインつき!)

今井俊満という奇才が他界してから、5年と3ヶ月が過ぎました。主にパリで活躍し、アンフォルメルの流れに乗り、世界的な地位を確立した今井は、晩年、南京や広島と言った、戦争をテーマにした作品と、全く逆のコギャルという軽薄な風俗に注目した作品の両局を描ききり、特にガンを宣告されてからの最晩年には人々(若い前衛現代美術家も含め)の度肝を抜くような斬新な作品を披露しました。今日ご紹介する、『花鳥風月』は、今井が「日本」というモチーフをそれまで手がけてきたアンフォルメル的な世界とどう融合させるかを考え抜いた作品シリーズであり、今井が作風を変える転機となった重要なシリーズです。箱つきで大判の立派な本で、図版も大変大きくとにかく見事な本なのですが、それだけではなく本書はなんと今井の署名つき。1点ものなので、ご注文される場合はお急ぎください。

その他の今井俊満の本はこちら

070613_00011_1 070613_00012 070613_00013

2007年6月28日 (木)

ゲロルド・ミラー (Gerold Miller):ゲロルド・ミラー展目録 (get ready)

今日の1冊は、『ゲロルド・ミラー展目録 (get ready)』。絵とは何か?絵と壁と空間と建築との関係とはどのようなものか?壁にかけられた、フレームのシリーズが有名なドイツ人アーティストのミラーは、かれこれ15年間もこの問いについて考え、彫刻と絵画の境界を超越した作品を発表しています。壁にかけられたキレイなフレームはそれ自体が彫刻なのか?それともサイト・スペシフィックな絵画なのか?解説もたっぷりついた本作で、ゲロルド・ミラーの世界に身を委ねてみてください!

070613_00007_1 070613_00008 070613_00009

2007年6月26日 (火)

小磯良平 (Ryouhei Koiso):小磯良平展目録

日本洋画界に大きく影響を与えた小磯良平は、1992年に創設された公募展「小磯良平大賞展」でもその名を知られています。特に洗練されていながら気品を感じさせる女性像の数々は、日本人の目に「洋画の見本」として昔の日本人の目には映っていたのかもしれません。東京芸大でも教鞭をとり、日本の洋画界の王道というものを築いていきました。本書『小磯良平展目録』は、兵庫県立近代美術館で行われた展覧会のカタログです。図版も大きく見やすい1冊です。是非ご覧下さい。

その他の小磯良平関連本はこちら

070613_00004_5 070613_00005 070613_00006 

2007年6月25日 (月)

エドヴァルド・ムンク (Edvard Munch):ムンク研究 (paintings, sketches and studies)

美術教育が活発というわけではない日本に於いても、ムンクの名前を知らない高校生はいません。名前は知らなくても少なくとも『叫び』を見たことがない人はいないでしょう。20世紀を生きたムンクはノルウェー出身の、表現主義派の作家として知られていますが、彼の不安や孤独を色濃く作品に反映させる画風が日本人にはウケがいいのかもしれません。しかし、当然ですが、『叫び』シリーズだけがムンクの作品ではないのです。本作『ムンク研究(paintings, sketches and studies)』は、ムンクの数々のペインティング・スケッチなどが収録されており、実に充実した内容。450点の図版を収録しております。是非ご覧下さい。

その他のムンク関連本はこちら

070613_00001_1 070613_00002 070613_00003

2007年6月24日 (日)

長沢英俊 (Hidetoshi Nagasawa):Ombra di angelo (天使の影) 展目録

イタリア在住の、国際的に活躍する彫刻家である長沢英俊が水戸芸術館で行ったOmbra di angelo (天使の影) 展の展覧会目録です。国際展での活躍が目覚しく、海外での知名度も高いのですが、その割には日本国内での展覧会の数は少ないので貴重な展覧会カタログです。作品写真も多いのですが、それに勝るほどの解説の充実ぶりが特徴的です。カタログの最初に書かれた長沢自身のコメントが印象的なので、ここに引用させて戴きます。

・・・そして彫刻とは、作家の手から離れるとき、当初のアイデアもコンセプトも、すべてすっきりと消え去っていなければならない。そして残ったものが彫刻である。

彫刻とは何か。本質に触れる質問が見る者の心に浮かびます。彼の作品を是非本書でご堪能ください。

070612_00011_1 070612_00012 070612_00013

2007年6月22日 (金)

ロニ・ホーン (Roni Horn):ホーンの素描

ロニ・ホーンと言えば、同じ少女の顔を何枚も撮った”You Are the Weather”を筆頭に、写真や、インスタレーションが有名ですが、今回ご紹介するのはホーンのドローイング集。しかし、ドローイング集と言えでも、彼女の考える「ドローイング」は大変柔軟で幅広いものです。そのことを象徴するかのように、一連の作品の紹介の前に、まず「ロニ・ホーンにとってドローイングとは何か?」という質問に対するホーンと、批評家のコメントが混ざり合った回答が羅列されている文章が掲載されております。ドローイングや、ピエロの写真が繊細に切り刻まれ再構成された作品群は、なんだか淡い色の万華鏡を覗いているみたいで心に響きます。是非ご覧下さい。 

その他のロニ・ホーン関連本はこちら

070612_00007_1 070612_00008 070612_00010

2007年6月21日 (木)

ジョセフ・コーネル (Joseph Cornell):コーネル研究

写真が豊富なこの『コーネル研究』を見ていると、なんだか別世界に引き込まれそうな気持ちになります。ジョセフ・コーネルは、箱の中に組み立てるコラージュの作成で有名になり、20世紀アメリカ美術界の中でひっそりと、ミステリアスな存在として生き抜きました。「詩的な劇場」と評される彼の箱の中には、彼の尽きない想像力が詰め込まれ、そこには宇宙的な視点を感じます。本書ではそんな彼の幻想的な世界を満喫できます。是非ご覧下さい。

その他のコーネル関連書籍はこちら

070612_00004_5 070612_00005_2 070612_00006_2

2007年6月19日 (火)

アントニ・タピエス (Antoni Tapies):タピエス展目録

本日は、アントニ・タピエスのタピエス展目録をご紹介します。

スペインの現代美術の巨匠と言えば、タピエス。1923年に生まれ、1950年に初めての個展を開いてから実に精力的に作品を発表してきました。アンフォルメル(=不定形絵画)の作家として活躍し、現代ではごく普通に使用されている「ミックス・メディア」での作品作りを始め、後続の作家たちに多大な影響を与えました。布や藁、絨毯などの物体自体や、物体の痕跡を中心に据えた作品は今見てもとても斬新です。

本書は1945年の作品から2003年の最近の作品まで幅広く掲載されている展覧会目録で、大変充実した内容となっております。500ページ近い分厚い本で、解説も充実。是非ご覧下さい。

その他のタピエス関連書籍はこちら

070612_00001_2 070612_00002_4 070612_00003

2007年6月18日 (月)

古賀春江 (Harue Koga):古賀春江回顧展目録

古賀春江は、大正時代という西洋からの文化が高波のように押し寄せたその時代の中で、その波に乗り、呑まれ、苦しみながらも魅力的な作品を数々遺した作家です。本名は「亀雄(よしお)」で、男性です。後に出家をして「良昌(りょうしょう)」と名前を変えました。キュビズムから始まり、シュルレアリスム、その果てにはクレーの影響を大きく受け、作風を次々と変化させていきましたが、その狭間で、「自らの画風」というものを模索し、苦しんだと言われています。本書は、1975年に福岡県文化会館で行われた古賀春江回顧展の展覧会カタログです。1933年に38歳の若さて亡くなった古賀を悼み、友人の川端康成等が追悼文を寄せています。また、ペインティングに古賀の詩的な言葉が添えられているものもあり、大変味わい深い1冊です。

その他の古賀春江関連本はこちら

070608_00014_1 070608_00016 070608_00017

2007年6月17日 (日)

ブラック・メイル (Black Male –Representations of Masculinity in Contemporary American Art)

ブラック・メイル(黒人男性)展の展覧会カタログのご紹介です。

黒人男性のアートとは何か。現代アメリカンアートにおいて、黒人男性の男らしさはどのように表象されるのか。アメリカ社会の最も繊細で最も過激なテーマとも言えるテーマを掲げた展覧会がホイットニー美術館で行われました。今日ご紹介する1冊は、その展覧会カタログです。29人の作家による70点もの作品を収録しており、解説も充実しておりますので、美術以外の社会学やジェンダー関係の研究をされている方にとっても興味深い1冊なのではないかと思います。是非ご覧ください。

070608_00007_6 070608_00008_2 070608_00009_2

 

2007年6月15日 (金)

デイヴィッド・ホックニー (David Hockney):ホックニーのホーム・メード・プリント展目録 日本語抄訳付

デイヴィッド・ホックニーのホーム・メード・プリント展目録のご紹介です。ホックニーは、英国ヨークシャー生まれの作家で、20世紀~21世紀のポップアート界の最重要人物の一人です。(本人はポップアートとカテゴライズされるのを嫌っていたという話もありますが。)ペインティングはもちろん、フォトコラージュや舞台デザインなども幅広く手がけたホックニーですが、本日ご紹介する本は、ホームメイド・プリントの作品ばかりを集めた1冊です。「平らな表面に制限されたカメラ」(ホックニー談)であるコピー機3台を駆使しながら、版を重ねて制作された作品はどれも新しいメディアのアートとであり、鮮やかな色を重ねていくホックニーの興奮が伝わるようです。その他のホックニー関連本はこちら

070608_00010_1 070608_00011 070608_00012

2007年6月14日 (木)

NICAFのカタログ!

NICAF(国際コンテンポラリーアートフェスティバル)のカタログのご紹介です。その年ごとのメインのカタログももちろん興味深いのですが、一回り小さいPUBLIC ART PROPOSALS シリーズ(在庫コード:1591515917)も見逃せません!1992年は環境とアート、1993年は企業とアート、1994年は空間とアートというテーマ設定がされています。巻末には論文が掲載されていたり、作品解説が充実していたり、貴重な資料に今後なっていくのではないかと思われます。是非ご覧下さい!

070608_00004_1 070608_00005 070608_00006

2007年6月12日 (火)

ギルバート&ジョージ:Gilbert & George 1968 – 1980

いつも一緒のスーツ姿のおじさま二人組み、ギルバート&ジョージによる1968年から1980年までの作品を紹介した1を本日はご紹介します。学生時代に出会い、金粉で体を覆って歌を歌うパフォーマンスThe Singing Sculpture (1970) で一躍有名になってから、二人はいつも一緒に行動し、そしていつもスーツを着用してきました。(スーツを着ていない姿や、ギルバートかジョージのどちらか一人だけの状態を目撃したことのある人はほとんどいないという噂です!)自分たちは生きる彫刻であると言い、数々のユーモア溢れるパフォーマンスを繰り広げてきた一方、過激でパンクなグラフィックワークも制作してきました。本書はそのどちらもがたっぷり見られる1冊です。カラー写真もたくさん。おすすめです!

その他のギルバート&ジョージ関連本はこちら

070608_00001_1 070608_00002 070608_00003

2007年6月11日 (月)

原美樹子:Hysteric 13 Mikiko Hara

ヒステリックグラマーが出版している写真集シリーズの第13弾。原美樹子の写真集のご紹介です。1996年に「ひとつぼ展」で入選したのを皮切りに、実力派女性フォトグラファーとして注目されながらも原はこの10年間きわめてマイペースに活動を続けてきました。この写真集に収められている写真は、皆何気ない日常のスナップばかり。けれど、他の作家の撮る日常スナップとは決定的に何かが違う気がするのは私だけでしょうか。被写体に対しても鑑賞者に対しても押し付けがましくない。なのにどっしりとした存在感があるのです。なんというか、とても不思議な気分になります。是非ご自身の目でお確かめ下さい。

070606_00007_1 070606_00008 070606_00009

2007年6月10日 (日)

パウラ・モーダーゾーン・ベッカー(Paula Modersohn-Becker):展覧会目録

ピカソやロダンとほぼ時を同じくして活動したドイツの女性画家であるパウラ・モーダーゾーン=ベッカー。ブレーメン近郊の芸術家村ヴォルプスヴェーデで活動した彼女は、31歳で他界してしまったため、遺された作品は多くはありませんが、それでも確固とした画風を気づきあげ、ドイツ表現主義を牽引した人物でもありました。本書は、2005年から2006年にかけて、宮城県美術館、神奈川県立近代美術館(葉山)、栃木県立美術館で行われたパウラ・モーダーゾーン=ベッカー展の展覧会のカタログです。「わたしの人生は祝祭なのだ。短く華麗な祝祭なのだ」。亡くなる7年も前にそう語った彼女の人生を、展覧会カタログを通して見つめなおしてみてはいかがでしょうか。

その他のパウラ・モーダーゾーン・ベッカー関連本はこちら

070606_00004_1 070606_00005 070606_00006

2007年6月 8日 (金)

松本峻介:松本峻介展目録(1000部限定品)(Shunsuke Matsumoto)

本日ご紹介するのは、江戸堀画廊で1977年に催された松本峻介展の展覧会カタログです。こちらのカタログは1000部限定で販売されたもので、大変貴重な1冊となっております。反戦の立場を貫き、抵抗画家とも呼ばれた、昭和とともに生きた松本峻介は、1948年にわずか36歳の若さで亡くなるまで傑作を描き続けました。是非本カタログで彼の作品を振り返ってみてください。

その他の松本峻介関連本はこちら

070606_00001_1 070606_00002 070606_00003

2007年6月 7日 (木)

ハンス・アルトゥング (Hans Hartung):アルトゥング展目録

アルトゥングは、フォートリエなどと並ぶ、アンフォルメル絵画を代表するアーティストです。特に彼の描くさまざまな線―繊細な線、太い線、勢いのある線、静かな線―からは幾何学的なデザインの抽象画でありながら、人間性や叙情性を感じられるような気がします。ドイツ出身でありながら、戦時中はフランス外人部隊で戦った、気骨のある人です。今日ご紹介する『アルトゥング目録』は、MOMAで75年から76年にかけて行われた展覧会のカタログです。27点の作品がカラーで掲載されています。是非ご堪能ください。

その他のアルトゥング関連本はこちら

070530_00007_1 070530_00008 070530_00009

2007年6月 5日 (火)

ロートレック (Henri de Toulouse-Lautrec):A SKETCH BOOK BY TOULOUSE-LAUTREC

夜な夜なムーランルージュやその他のダンスクラブに出かけて、踊り子たちを描き続けたロートレック。彼は幼いころから、いつでもスケッチブックを持ち歩いていたと言われています。本日ご紹介する『ロートレックのスケッチブック 全2巻ファクシミリ版』(A SKETCH BOOK BY TOULOUSE-LAUTREC) は、ロートレックのスケッチを精巧に復刻したファクシミリ版のスケッチブックです。とても熟練されたタッチで描かれたスケッチばかりですが、これらはなんと彼が20歳にも満たない頃に描かれたもののようです。ほぼ全点、馬や騎手、貴婦人などを描いています。彼の父(アルフォンス伯。ロートレックはフランスの名家出身なのです。)が馬好きだったことが影響していたのだと思われます。装丁も味があり、おすすめです。現在、在庫が一点しかございませんので、ご注文はどうぞお早めに。

その他のロートレック関連本はこちら

070530_00004_1 070530_00005 070530_00006

2007年6月 4日 (月)

ソル・ルウィット(Sol Lewitt):ソル・ルウィット展目録 (Structures 1962-2003)

2ヶ月ほど前、200748日に、78歳で亡くなられた、アメリカ人アーティスト、ソル・ルウィットの展覧会カタログを、哀悼の意をこめてご紹介したいと思います。ソル・ルウィットは、ドローイングやスケッチ、彫刻などの作品を制作したとともに、『コンセプチュアル・アートについてのパラグラフ』という文章を発表し、コンセプチュアル・アート草創期において、コンセプチュアル・アートの定義づけを行ったことでも知られています。今回ご紹介する『ソル・ルウィット展目録 (Structures 1962-2003)』 は、2004年にニューヨークで行われた展覧会のカタログで、ストラクチャー(彫刻)作品が50点ほど収められています。是非ご覧ください。

その他のソル・ルウィット関連本はこちら

070530_00001_1 070530_00002 070530_00003

2007年6月 3日 (日)

ザオ・ウーキー(趙無極/ Zao Wou-ki):ザオ・ウーキー展目録

1921年に中国の名家に生まれたザオ・ウーキーは、27歳で渡仏し、当時のフランスの画家たちから影響を受けました。特にパウル・クレーなどからは多大な影響を受け、そしてその影響は作品にも反映されています。1964年にはフランスに帰化したザオ・ウーキーではありますが、東洋の心に西洋の技術と感覚を併せ持った彼の作品群には、同じ東洋に生きるものとして、興味深いものがあります。本日ご紹介する『ザオ・ウーキー展目録』は、2003年にパリのジュー・ド・ポーム国立ギャラリー(Galerie nationale du Jeu de Paume で行われたザオ・ウーキー展の展覧会カタログです。初期の作品から最近のものまで幅広く収録されていますので、是非ご覧下さい。

ザオ・ウーキーの他の展覧会カタログはこちら

070525_00007_1 070525_00008 070525_00009

2007年6月 1日 (金)

ル・コルビュジエ(Le Corbusier):ドイツの旅の手帳、東洋の旅の手帳

森美術館で924日まで展覧会も行われているル・コルビュジエですが、彼に関するいくつもの書籍、カタログ等の中でもとりわけ魅力的な2冊をご紹介します。

『ドイツの旅の手帳』(Les voyages d’Allemagne Carnets)と、

『東洋の旅の手帳』(Voyage d’Orient Carnets)です。

本のサイズは、17×10cmと小ぶりなのですが、厚さが結構あり、ちょっとした小型辞書のような体裁です。中を開くと、復元されたル・コルビュジエ自筆のメモやスケッチの数々が並び、リアルな彼の頭の中を覗いているようでわくわくする内容。『ドイツの旅の手帳』は、コルビュジェがドイツへ旅行したときに持ち歩いたノートを復元した内容で、『東洋の旅の手帳』の方は、東欧諸国へ旅行したときの全6冊分の手帳の内容を1冊にまとめたものです。英語の解説もついています。コルビュジエ好きはもちろん、面白い形態の本や、アーティストブック好きにもお薦めしたい1冊。是非一度ご覧になってください。

そのほかのコルビュジェ関連本はこちら

070525_00004_5 070525_00005_3 070525_00006_1

« 2007年5月 | トップページ | 2007年7月 »